テクノロキャンバス

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万人向けではない、良質な70点だけどもう一度観たい、そんな映画「アリスとテレスのまぼろし工場」を観て

この間の三連休に、岡田麿里さんが監督した「アリスとテレスのまぼろし工場」を観てきました。
※前半はネタバレ無しの感想を、後半にネタバレ有りの感想を書いていこうと思います。

感想(ネタバレ無し)

岡田麿里さんの作る作品は多角形のドロドロした人間関係が醍醐味の一つかと思いますが、この作品でも健在でした!
また、特に思春期の少年少女をうまく描いている作品だなーと感じました。
また、主題歌はあの中島みゆきさんです!
これが作品の雰囲気ととても合っていました。
公式のMVが上がっているので、ぜひ観て聴いてみてください。
作品の綺麗でノスタルジックな映像ととても合っていて何度も観てしまっています。

www.youtube.com


この作品は岡田麿里作品や中島みゆきさんの曲が好きな人に特に刺さる作品かなと思います。
つまり、ある程度歳の行った大人向けかなという感じです。
公開すぐの三連休、昼間に見に行ってもスクリーンがガラガラだったので興行的には心配になりますが、観て良かったと思えた作品です!
万人に勧められる感じではなく、観て良かったのですが、観終わってもモヤモヤした感じが残り、記事を書くためにPVとか観ながら内容を思い出してるとだんだんと「面白かったんだな」と感じるスルメのような質の高い70点な映画の印象でした。

岡田麿里さんは人間関係を描くとピカ一で、だけどSFとかは不安が残る印象だったので、観る前はファンタジーなこの作品は少し心配でした。
観終わった後、正直すべてが語られておらず情報不足・描写不足な面はありますが、結果的に想像の余地を残してて整合性が取れていないと感じることは無く良かったです。

(個人的には、睦美のキャラがダイナゼノンの南夢芽っぽくて人を選びはしそうですが自分は好きな性格してました。)

ネタバレあり

では、ここから先はネタバレ有りの感想を書いていきます。
ネタバレ大丈夫な方は続きからどうぞ


ネタばれ無しの感想でも書きましたが、岡田麿里らしさ炸裂の人間関係ドロドロでサイコーでした!
特に、主人公が睦美を押し倒してキスしてる場面を五実が目撃してしまうシーンとかは「親子でドロドロをやるか!」と変な声がでそうでしたw

と言いつつも、小さい女の子は「将来お父さんと結婚する!」と言ってるイメージがあるので、子供ができてからも父母がラブラブな場合には実際起こりうるのかな?とも思ったりしました。

変わることが"悪"となった世界、途中までセカイ系かなと思っていましたが、結局は違いましたね。
最後、五実が現実に帰ることはできましたが、消えることがなくなった訳でなく、消えた人が戻ってきた訳でも無いはずです。
おじさんの悪あがきで「神機狼」が再び出るようにはなったけど、根本の解決はしてない(できない?)ので時間稼ぎ程度のはず。
けれども解決していないのが悪いという印象はなく、主人公たちからはどうせ消えるなら今を楽しんでおこうくらいの前向きさを感じました。

最終的に人間関係はスッキリしたけど、世界の謎とかは放置でしたね…
この辺、小説読めば分かるんですかね?
(なんでもかんでも答えを求めたがる、現代病か?)
興行的にはあまり芳しくない気がするけど、それでも好きな作品でした。